音楽配信を「安い順」で比べようとすると、すぐ手が止まる。主要4社の個人プランが1,080〜1,180円に並んでいて、差が100円しかないからだ。家族で分ければ差がつくかと思って割ってみたら、今度は280〜330円に収束した。

結論 — 知りたいことから読む
| 知りたいこと | 答え | そう言える理由 |
|---|---|---|
| 音楽サブスクは値段で選べるか | 選べない。 4社の1人あたり月額は280〜330円で、差は1.2倍しかない | 動画配信は同じ物差しで200〜660円(3.3倍)に散らばる |
| なぜ差がつかないのか | ファミリープランが全社「最大6人」で揃っているから | 動画配信は同時視聴が1〜4人とバラバラで、そこが差になっていた |
| 1人あたりで最も安いのは | YouTube Music Premium(280円) | ファミリー1,680円 ÷ 6人。2位Spotifyの313円と33円差 |
| 家族で分ける効果は | 3.5〜3.9倍下がる。 動画より効きが大きい | 個人1,080〜1,180円が280〜330円になる |
| 1人で使うなら | YouTube Music か Spotify(1,080円) | Apple MusicとAmazon Musicは1,180円。ただしAmazonはプライム会員なら1,080円 |
| 結局どう選ぶのか | 値段以外で選ぶしかない。 音質・独占配信・他サービスとの抱き合わせ | 100円の差で選ぶより、毎日使うものの使い勝手のほうが効く |
上の表で足りるなら、以下は読まなくてよい。
図の見方 — 動画配信と同じ物差しを当てている
- 1人あたり月額=月額 ÷ 分け合える人数:前回の記事で動画配信に使った物差しを、そのまま音楽に当てた
- 音楽は全社「最大6人」で固定:Spotify・Apple Music・Amazon Music・YouTube Music、4社とも同じ
- 動画は同時視聴が1〜4人でバラバラ:ここが両者の構造的な違いで、散らばりの差はそこから来ている
- 対象は4社:Spotify、Apple Music、Amazon Music Unlimited、YouTube Music Premium
- LINE MUSIC と AWA は対象外:公式ページの料金表示に到達できず、他社と同じ確かさで数えられなかった。推測で埋めるくらいなら載せない
- 時点は2026年8月:税込・Web/クレジットカード決済の場合
割る前は横並び、割った後も横並び。これが図の主張だ。
4社の月額と1人あたり
| サービス | 個人(月) | ファミリー(月) | 人数 | 1人あたり | 個人からの下がり幅 |
|---|---|---|---|---|---|
| YouTube Music Premium | 1,080 | 1,680 | 6 | 280 | 3.9倍 |
| Spotify | 1,080 | 1,880 | 6 | 313 | 3.5倍 |
| Apple Music | 1,180 | 1,980 | 6 | 330 | 3.6倍 |
| Amazon Music Unlimited | 1,180 | 1,980 | 6 | 330 | 3.6倍 |
Spotifyには4社で唯一、2人用のDuo(1,480円・2アカウント)がある。1人あたりは740円でファミリーより高いが、6人集まらないときの現実的な選択肢になる。
YouTube Music Premium — 4社で最も安いが、名前が紛らわしい
一言で:ファミリーが1,680円と最も安く、1人あたりでも280円で最安。
- 個人プランの月額:1,080円
- ファミリープランの月額:1,680円(最大6人)
- 1人あたり月額:280円
- 個人からの下がり幅:3.9倍
- 外さないコツ:「YouTube Music Premium」と「YouTube Premium」は別物
- 後者はファミリー2,280円で、音楽に加えてYouTube動画の広告も消える。動画も広告なしで見たいなら差額600円の価値がある
Spotify — 2人で使うならDuoという選択肢がある
一言で:4社で唯一、2人用プランを別立てで持っている。
- 個人プランの月額:1,080円
- ファミリープランの月額:1,880円(最大6人)
- 1人あたり月額:313円
- 個人からの下がり幅:3.5倍
- 外さないコツ:2人で使うならDuo(1,480円・2アカウント)を見る
- 1人あたりは740円とファミリーより高いが、総額は400円安い。6人集められないなら、こちらが実際の選択肢になる
Apple Music — 単体で見ると高いが、抱き合わせで変わる
一言で:単体では最高値だが、Apple One にまとめると位置づけが変わる。
- 個人プランの月額:1,180円
- ファミリープランの月額:1,980円(最大6人)
- 1人あたり月額:330円
- 個人からの下がり幅:3.6倍
- 外さないコツ:Apple One ファミリー(2,500円)にはApple Musicファミリー(1,980円)が含まれる
- 差額520円で iCloud+ 200GB・Apple TV・Apple Arcade が付く。iCloudの容量を別途買っているなら、実質的に逆転する
Amazon Music Unlimited — プライム会員かどうかで個人プランが変わる
一言で:プライム会員なら個人プランが100円安くなる、唯一のサービス。
- 個人プランの月額:1,180円(プライム会員は1,080円)
- ファミリープランの月額:1,980円(最大6人)
- 1人あたり月額:330円
- 個人からの下がり幅:3.6倍
- 外さないコツ:割引が効くのは個人プランだけで、ファミリーは会員でも1,980円
- 1人で使うならプライム会員特典が効き、家族で使うなら効かない。人数によって有利さが入れ替わる

補足 — なぜ音楽だけ横並びになるのか
音楽配信と動画配信で、決定的に違うのはカタログの重なり方だ。
- 音楽:主要4社はいずれも1億曲規模を掲げており、大手レーベルの楽曲はどこでも聴ける。差がつくのは独占ポッドキャストやライブ配信といった周辺部分
- 動画:前回調べたとおり、2025年の興行収入トップ20を見放題で持つ本数は0〜7本と大きく違う。同じ作品がどこにでもあるわけではない
カタログが似ていれば、値段も似る。 音楽の4社が280〜330円に収まっているのは、 競争が価格に集約されているからで、逆に言えば値段で選ぶ意味が薄い。
ファミリープランの人数が全社6人で揃っているのも同じ理由と読める。1社が7人にしても、他社がすぐ追いつく。
まとめ — 3ステップで選ぶ
- 何人で使うかを決める:6人集まるならファミリーで1人280〜330円。2人ならSpotifyのDuo。1人なら1,080円のYouTube MusicかSpotify
- すでに使っているサービスを確認する:Amazonプライム会員なら個人プランが100円安く、iCloudを買い足しているならApple Oneで逆転する
- 残った差は値段以外で決める:100円の差で悩む時間より、実際に1か月使ってみたほうが早い。4社とも無料体験がある
料金の側から動画配信を見たものは 動画配信の安さは、何人で使うかで順位が変わる、 中身の側から見たものは 「見放題42万本」は、見たい作品があるかを語らない にまとめている。 同じ物差しでも、音楽と動画では出てくる絵がまったく違う。


