ペアリングは暗記するものではない。3つの原則を知っていれば、初めて見る料理でも自分で決められる。
よくある10の料理に対して、8品種のどれが合うかを1枚にしたのが下の表だ。

結論 — 迷ったときの3つの逃げ道
早見表を持っていない場面でも、この3つで大きく外すことはない。
| 状況 | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 料理が読めない・大人数 | ピノ・ノワール | 赤で最も酸が高く渋みが軽い。魚にも耐える |
| 和食・出汁が中心 | ピノ・グリ | 酸が穏やかで、出汁の繊細さを消さない |
| 洋食・脂が多い | シャルドネ(樽あり) | コクが脂に釣り合う |
| とにかく肉 | カベルネ・ソーヴィニヨン | 渋みが脂を切る |
| 辛い・スパイスが強い | リースリング | 高い酸と果実味が辛味を受け止める |
原則1 — 色を合わせる
- 考え方: 料理の色とワインの色を揃える。肉なら赤、魚・野菜なら白
- 具体例: ステーキ→赤 / 白身魚→白 / 鶏肉は白でも赤(軽い赤)でも成立する
- 例外: 醤油・味噌・照り焼きなど茶色い味付けの魚は赤が合う。ぶりの照り焼きにピノ・ノワールなど
- 外さないコツ: 迷ったら、色ではなくソースの色で判断する
- 白身魚でもクリームソースなら白の樽あり、トマトソースなら軽い赤が合う
原則2 — 重さを合わせる
- 考え方: 料理の重さとワインのボディを揃える。軽い料理に重いワインを合わせると料理が消える
- 具体例: 刺身にカベルネは重すぎ、ステーキにリースリングは軽すぎる
- 例外: 揚げ物は「重い料理」だが、酸の高い軽い白が合う。脂を切るため
- 外さないコツ: 調理法で重さを測る。生 < 蒸す < 焼く < 揚げる < 煮込む の順に重くなる
- 素材ではなく調理法で決めると、初めての料理でも判断できる
原則3 — 産地を合わせる
- 考え方: その土地の料理には、その土地のワインが合うように育ってきた
- 具体例: トマト系パスタにイタリアの赤、生牡蠣にシャブリ、ソーセージにドイツのリースリング
- 例外: 日本料理には対応するワイン産地がない。ここは原則1・2で判断する
- 外さないコツ: 産地が分からないときは、この原則を捨てて重さだけ合わせる
- 3原則のうち、重さが最も外れにくい。1つしか使えないならこれを使う
補足 — 合わない組み合わせの3パターン
「合う」より「合わない」を覚えるほうが実用的だ。事故はこの3つにほぼ集約される。
- 渋い赤 × 生魚 — タンニンが魚の脂と反応し、金属のような味に感じられることがある。刺身に濃い赤は避ける
- 樽の強い白 × 繊細な和食 — 樽のバニラ香が出汁の香りを覆う。天ぷらにカリフォルニアのシャルドネは強すぎる
- 辛口ワイン × 甘いデザート — ワインが酸っぱく感じられる。デザートには、料理より甘いワインを合わせるのが原則
次に読むもの — 料理から選んだあとで
- 3つの質問で今日の1本を決める — 料理から入る決定チャート
- フランスは産地名で品種が決まる — 産地名から中身を逆算する
- 贈り物の相場を相手で決める — 予算 × 相手の早見表
- 値段は何で決まるのか — 同じ村の赤で、上と下が17.6倍
まとめ — 使い方は3ステップ
- 早見表に料理があれば、そのまま選ぶ
- なければ、重さ(調理法)を合わせる
- それでも迷ったら、ピノ・ノワールかピノ・グリに逃げる
品種そのものの特徴は赤ワイン4大品種の違いと白ワイン4大品種の違いに、選ぶ手順は3つの質問で決まる品種決定チャートにまとめている。


